COLUMN プリント職人のお話

 

皆さん、こんにちは。ウイングのプリント職人の一人です。突然ですが、「シルクスクリーンプリント」という言葉を聞いたことはありますか？シルクスクリーンプリントはTシャツの製作をするうえで最も代表的なプリント技法で、アパレルブランドのTシャツから個人のオリジナルTシャツまで幅広く用いられています。今回はそんなシルクスクリーンプリントについて、職人の視点で解説したいとおもいます。

 

■シルクスクリーンプリントの方法とは？

■シルクスクリーンプリントのメリットとデメリット

■シルクスクリーンプリントのお話まとめ

 

シルクスクリーンプリントの方法

まず最初にシルクスクリーンプリントの方法をお話ししましょう。辞書的に説明するとシルクスクリーンは孔版印刷の一種で、メッシュ（網の目）状のスクリーン（版）にインクを通過させる孔（穴）をあけてプリントする技法です。昔はスクリーンにシルクを張っていたという歴史から、この呼び名がついたと言われています。

 

 

ウイングではこの版づくりを私たち職人が行っています。当たり前じゃないの？と思うかもしれませんが、実は版づくりを自社で行っているところは多くありません。メッシュを張る作業ですが、以外と難しい。上下左右、同じテンションで張らないと弛みが出てしまい、プリントの仕上がりに影響が出るというわけです。版は色ごとにつくる必要がありますが、一度作れば何度でも使えるます。

 

 

シルクスクリーンプリントのメリットとデメリット

このようなシルクスクリーンプリントですが、メリットとデメリットがあります。Tシャツのプリント方法はいろいろありますが、それぞれにメリットとデメリットがありますので、知っておくと便利です。全部お話しすると長くなりますので、今回はシルクスクリーンプリントに限定して紹介しましょう。

 

 

メリット①  たくさん作る時はコストを抑えられる

シルクスクリーンプリントの一つめのメリットは、大量制作時にコストを抑えられることです。シルクスクリーンプリントは版をつくれば同じTシャツを何枚でも作ることができます。注文する枚数が多いほど、1枚あたりの価格が安くなるというわけです。一度つくった版は長期間保存ができるので、毎年同じTシャツを注文したいという人にもオススメです。

メリット②  他の技法に比べて耐久性に優れている

二つめのメリットはシルクスクリーンプリントが耐久性に優れていることです。シルクスクリーンプリントではインクを厚く塗れるだけでなく乾燥させてインクを定着させるので、耐候性も高く仕上がります。仕事の作業着やスポーツのユニフォームなど、毎日のように洗濯をするTシャツでも色あせしにくく、長期間の発色を保てる技法です。

メリット③  プリントに使えるインクの種類が多い

三つめはプリントに使用できるインクの種類が多いことです。色の選択肢が多いことはもちろん、風合いが変わるような特殊なインクでプリントすることもできます。インクジェットプリントでは表現できないラメや蛍光インクを使った加工は、シルクスクリーンプリントならではです。インクの種類はデザインにかかわりますので、知っておきましょう。

デメリット①  作る枚数が少ない時はコストが上がる

一つめのデメリットは一つめのメリットの逆の場合です。シルクスクリーンプリントは版をつくる必要があるので、注文数が少ないと他のプリント方法よりも割高になる場合があります。同じデザインで定期的に少量ずつ注文するのであればよいですが、少量を1回だけ注文する時は割高になることを知っておきましょう。シルクスクリーンプリントでTシャツをつくりたい時は、10枚以上注文するのがベターです。

デメリット②  デザインの色数分の版代がかかる

シルクスクリーンプリントのデメリットとして、デザインの色数分の版代がかかることもあげられます。版は一つの色でしか使い回しができないので、デザインの色数分の版が必要です。カラフルなデザインをシルクスクリーンプリントで再現すると、1枚あたりの価格が高くなるので注意しましょう。シルクスクリーンプリントにこだわりがなく、カラフルなデザインの場合は、色数で価格が変わらないインクジェットプリントをオススメします。

 

シルクスクリーンプリントのお話まとめ

 

 

 

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